実証団体の取り組み各自治体によるいじめ防止対策

各自治体の首長部局による、いじめ予防の取り組みをご紹介します。地域住民および民間との連携や「いじめ専門相談員養成講座」を活用した相談員の養成・育成、相談窓口の工夫など、いじめ解消の仕組みづくりに向けたさまざまな手法の開発が行われています。

北海道旭川市

いじめ防止対策「旭川モデル」の推進

市長部局と学校・教育委員会が一体となって、いじめの未然防止・早期発見・重大化の防止を図る、独自のいじめ防止対策「旭川モデル」の取り組みを推進しています。「いじめ専門相談員養成講座」を修了した者が子どもや保護者等からの相談に対応するとともに、市民を対象としたいじめ予防の講座を開催するなど地域との連携による取組を進めています。

年度別実施内容

岩手県盛岡市

「こども相談室」の設置と聞き取りシート活用

こどもの相談窓口として子ども未来部こども家庭センター内に「こども相談室」を令和6年に設置、さまざまな相談方法を活用することで子ども本人、保護者などの相談を幅広く受け付けています。研究所の「いじめ専門相談員養成講座」を受講してスキルアップを図りながら、聞き取りシート(インテークアセスメントシート)も活用し細やかに聞き取りを行っています。

年度別実施内容

新潟県新潟市

子どもの権利相談窓口の設置

いじめなどの子どもの権利に関わる相談対応を行う「新潟市子どもの権利相談室こころのレスキュー隊(弁護士や学識経験者が救済委員を務める)」を令和6年8月に開設し、相談業務等を丁寧に行っています。いじめ予防の取り組みにもつながる「新潟市子ども条例に関する出前講座」も行っているほか、令和7年は「こども条例フォーラム」を行うなど広くいじめ予防にも繋がるよう子どもの権利の普及啓発に関わる取り組みを実施しています 。

年度別実施内容

千葉県松戸市

SNSやレターを活用した「子どもSOS相談」

専門職による支援を行う窓口として「子どもSOS相談」を設置し、いじめの長期化や重大化の防止に取り組んでいます。 子どもたちの困り事を早期にキャッチできる体制づくりの一環として、SNSやレターなどの多様な相談方法を採用しています。

年度別実施内容

東京都品川区

いじめの根絶に向けた「オール品川」での取り組み

区長部局に「いじめ相談対策室」を設置し、品川区いじめポータルサイト「きづき」や返信はがき付きのいじめ啓発相談チラシ、LINEなど、多様なツールを活用した相談しやすい環境を整備しています。
また、教育委員会との連携強化を目的として、区長部局と教育委員会による品川区いじめ対策協議会を開催するほか、学校外の地域団体等に向けたいじめ予防啓発事業を実施するなど、子どもたちがいじめのない安全で楽しい生活が送れるよう、区長部局、教育委員会、関係機関および地域が連携強化を図り、「オール品川」でいじめ問題に取り組んでいます。

年度別実施内容

静岡県湖西市

首長部局と教育委員会が連携、いじめ予防に取り組む

首長部局が研究所の調査ツール(デイケン・いじめDアンケート)を導入し、教育委員会・学校と情報共有しながら、いじめ早期発見・早期対応に取り組んでいます。また放課後クラブにて「いじめ予防ゲミワ」を実施するなど、ゲミワを使った啓発活動を積極的に行っています。

年度別実施内容

三重県伊勢市

放課後児童クラブにおける「いじめ予防ゲミワ」の取り組み

いじめ予防として「いじめ予防ゲミワ」を取り入れた啓発活動に取り組んでいます。特に放課後児童クラブにおいてゲミワを取り入れ、学校外の時間である放課後の子どもたちに焦点を当てていじめ予防を進めました。子どもたちが、いじめ防止について楽しみながら学べるよう取り組みを進めます。

年度別実施内容

奈良県天理市

学校・家庭・地域をつなぐ こどもと保護者の総合相談窓口

従来の教育委員会主導によるいじめの解決を図るのではなく、児童福祉部門にいじめ対策の職員を配置し、子育て応援・相談センター「ほっとステーション」をはじめとした関連機関と協働することにより、いじめの解決を図ります。福祉的見地からのより緊密な情報共有や早期かつ適切な支援の提供を可能とし、いじめに対する踏み込んだ支援体制の強化を図ります。
また「ほっとステーション」を中心に、学校PTAや地域住民に向けてこどもへの理解を深める啓発活動を行うとともに、「いじめ専門相談員養成講座」を受講し、担当職員のスキルアップにも取り組んでいます。

年度別実施内容

大阪府箕面市

子どもたちにとって身近な相談員をめざして

いじめが重大・深刻な事態に陥いらないようにするためには早期発見・早期対応を行うことが重要です。「いじめ専門相談員養成講座」を修了した相談員が、相談対応に加え、子どもたちにとって身近で気軽に相談ができる存在になるための取り組みを行っています。具体的には、市立小・中学校の児童・生徒集会等に積極的に参加して「やはた行動」の啓発や相談窓口の周知、交流を行っています。 また、相談対応においては、研究所の項目を参考に作成した相談受付シートを活用し、速やかに対応方針を検討し、相談者に寄り添った支援を実施しています。

年度別実施内容

大阪府八尾市

いじめ予防啓発活動「ピンクシャツ運動」の展開と相談アプリの導入

いじめ問題に関する理解を深め、社会全体でいじめ防止への取り組みを推進するため、八尾市では5月と10月を「いじめ防止啓発強化月間」を位置づけ、いじめ予防の啓発活動を行っています。R6年度に開催した市民向けのシンポジウムには、当研究所の和久田も参加しました。さらに、ピンクのものを身に着けることで「いじめ反対」意思を示す「ピンクシャツ運動」を展開するなど、地域全体でいじめ予防の啓発に取り組んでいます。
また、市内にある全小中学校(小学校4年生以上、私立学校を含む)の子どもたちが気軽に相談できるよう、学校から貸与されている端末機に相談アプリを導入しています。

年度別実施内容

大阪府堺市

「こども意見聴取事業」の取り組み

いじめや不登校等の悩みを抱えるこどもの思いに寄り添った対応につなげることに重点を置いています。市が委託する臨床心理士等のこどもの話を聴く専門家がこどもから直接話を聴く当該事業のほか、研究所提供の「いじめ専門相談員養成講座」を受講した職員等が、こどもや保護者からの相談を受けています。

年度別実施内容

福岡県

県が教育委員会や学校と連携し、いじめの解消に取り組む

令和5年11月に、学校外の立場からいじめに悩むこどもや保護者を支援する「福岡県いじめレスキューセンター」を設置。「いじめ専門相談員養成講座」を受講した社会福祉士 や精神保健福祉士等を配置し、いじめの相談を受け付けています。相談後、いじめの解消に向けて、県・市町村教育委員会や学校との協議、その後のフォローアップまでを行っています。
また、市町村のこども福祉部局等と連携しながら、こどもの状況に応じて、家庭の見守りなどの支援に繋いでいます。

年度別実施内容

熊本県熊本市

相談方法の工夫&こども食堂との連携

相談方法を工夫し、電話やメールのほか、チャットやはがきなどで広く相談を受け付けています。また、こども食堂のスタッフや学生ボランティアを対象に、「こどもの権利」に関する研修を実施。研究所提供の「いじめ予防ゲミワ」を活用した、いじめ予防の啓発にも取り組んでいます。

年度別実施内容