文部科学省委託事業:吹田市報告会のお知らせ

吹田市教育委員会は、昨年度に引き続いて文部科学省「いじめ対策・不登校支援等推進事業」を受託し、公益社団法人子どもの発達科学研究所の全面協力のもと「魅力ある学校づくり」についての調査研究を進めてきました。
この度、同事業の成果報告会を2月17日(金)14時から吹田市にて実施いたします。
本年度は、日々の健康観察を科学的根拠に基づいてデジタル化した『デイケン』の活用によるメンタルヘルスの悪化の予測や、いじめ・不登校等の未然防止について、エビデンスや子どもたちの姿、先生の声とともに紹介します。また、学校現場での実践報告も予定しています。

吹田市では、いじめ問題に関する取り組みとして、令和2年1月より、再現性のある科学的根拠に基づく研修、調査、授業を含んだいじめ予防推進事業を弊所へ委託し、現在に至っています。
昨年度は、文部科学省「いじめ対策・不登校支援等推進事業」を受託し、いじめの被害者支援、加害者指導に加えて、全ての子供たちがいじめ予防スキルを学ぶことができる、オリジナル動画コンテンツ「ともだちづくり・かかわりづくりプログラム」を弊所と連携し作成。いじめの未然防止にも活用しました。
また、昨年度の研究では、科学的根拠に基づく効果検証として、弊所の「学校風土いじめ調査」「こころの健康観察NiCoLi」も実施。しかし、「NiCoLi」のシステム上、児童生徒のメンタルヘルスのリスクを発見してもそれをすぐに教師が把握することが難しいという課題が明らかとなりました。
令和3年度の研究において、開発した動画コンテンツを研究推進校で活用する中で、児童生徒の中には「リスクがなく反応の少ない児童生徒」と「リスクがあり敏感に反応する児童生徒」の2つの群があることがみえてきました。このことから、「学校風土」といった集団を見て考察する視点だけでなく、児童生徒一人一人の状況に関心を持ち、個別に支援する視点からのアプローチの必要性が再確認されました。
吹田市では、これまでもGIGAスクール構想に伴う一人1台端末の導入に合わせ、いじめ等におけるSOSの発信の方法を取り入れてはいたものの、SOS発信までに操作がいくつもあったり、周りの目が気になったり、そもそも気分が落ち込んでいる児童生徒にはSOSの発信にすら行きつかないといった問題点も見えてきていました。
そこで、吹田市では、日々の健康観察の中に、児童生徒一人ひとりのメンタルヘルスや状況について日々継続的に捉える仕組みと、気軽にSOSを発信することができる、科学的根拠に基づいたシステムが必要であると考え、本年度より、弊所の開発したデイリー健康観察アプリ「デイケン」の利用を開始しました。
本年度の事業では、「デイケン」を活用することで得られたデータと、「NiCoLi」や「学校風土いじめ調査」等のデータを比較・分析することで、「デイケン」の回答項目が科学的に妥当かを明らかにするとともに、「デイケン」の現場での利用の在り方とその可能性について検討しました。
また、昨年度開発した動画コンテンツの積極的活用や「デイケン」「NiCoLi」でリスク群となった児童生徒へのフォローアップによるいじめ等の予防効果についても検証しています。
今回実施される報告会では、この事業成果の詳細とともに、実際の子どもたちの様子や学校現場での実践も報告します。
子どもに関わる多くの方々のご参加をお待ちしております。

主催:吹田市教育委員会 共催:公益社団法人子どもの発達科学研究所

日時2023年2月17日(金)14:00~16:00
会場吹田市文化会館 メイシアター 大ホール
(〒564-0041 大阪府吹田市泉町2-29-1)
対象教育関係者および一般の方(吹田市内外は問いません)
定員会場参加 1,000名 ※動画配信は定員なし
参加費無料
参加方法開催終了
申込締切申込終了