研究とエビデンス

調査ツールにエビデンスが必要な理由

ツールを作り提供することは、IT企業であれば難しいことでないかもしれません。しかし、学校現場に導入される調査ツールにとって重要なのは、確固たるエビデンスがあることなのです。

私たち子どもの発達科学研究所では、子どものメンタルヘルスにおいて、体調、生活リズムなどが子どものリスクを捉えている可能性が高いことを、研究によって明らかにしてきています。
さらに重要なのは、仮にその関係性が明らかであることを知っていたとしても、「なぜそのツールで計測できるのか?」「ツールは、私たちが興味を持っている項目(子どものメンタルヘルス、体調、その他のリスクなど)を確実に捉えているのか?」「ツールによって取得されたデータは、信頼に足るものなのか?」などの問いについて、科学を持って回答をしなければならないということです。
なぜなら、もし調査ツールが間違って子どもたちのリスクを判断していたとしたら、結果として子どものリスクを見逃したり不適切な取り扱いを推奨したりしてしまう可能性があるからです。
研究所の調査ツールの調査項目、結果の表示には科学的根拠があります。そのため安心して現場で使うことができます。

アセスメントからアクションへ

アセスメント、すなわち、子どもの状態の把握は何のために行うのでしょうか。 単に状況を把握するだけでは意味がありません。そこで捉えられた状況を分析し、子どもの発達を促したり、リスクを回避したりするための支援や対応、すなわちアクションが必要です。
当たり前のことですが、ここでのアクションは、どんなことでもいい、というわけではありません。あくまでもアセスメント結果に応じたものでなければならないのです。
研究所では、アセスメント結果を正しく捉え、その結果に応じた支援や対応について、行動科学や脳機能モデルなど、科学に基づいた方法を提案し、動画研修やワークショップ等による学校支援コンテンツという形で提供しています。

取得したデータの利活用で学校支援の質をさらに高める

教育現場で取得したデータは、子どものメンタルヘルスや日々の健康、生活リズムやリスクについてのものであり、日本はもちろん、世界でもユニークかつ価値の高いものです。
この日々、集積されていくデータについて、研究所の研究者が検討し、データの見方、解析の方法、そこから明らかにする支援や対応の方法について、さらなる改善と、新たな方法の開発に取り組んでいます。
私たちが大切にしているのは、科学です。この分野に関する世界の研究を視野に入れつつ、私たちの手元にある膨大なデータを最先端の方法で解析し、今の時代を生きる子どもたちの状況にあった支援策の提案が可能になるように、日々、進化させているのです。